昔々、静かな森の中に、一匹のカメが住んでいました。カメは長い時間を生きてきたため、体が少しずつ動きにくくなってきました。若い頃のように速く歩くことも、木に登ることもできなくなってしまいました。それでも、カメは幸せな日々を送っていました。
ある日、森の仲間たちが集まって、カメが体を動かせなくなったことについて話し合いました。「カメはもう年を取って、何もできなくなった」と、若いウサギたちは少し心配そうに言いました。「あのカメ、あんなに頑張っていたのに、もう何もできないのか」と言い合っていました。
その時、カメはふと思いました。「確かに、若い頃のように速く歩いたり、木に登ったりはできないけれど、今できることを見つけて、できる範囲で毎日過ごしていくことが大切なんだ」と。カメは自分に言い聞かせ、毎朝、森の中を歩きながら、笑顔を絶やさず、周りの仲間たちに挨拶をして回りました。疲れたときには、少し立ち止まって深呼吸し、心を落ち着けました。
ある日、森の他の動物たちが集まったとき、カメの笑顔が印象的でした。「最近、カメの笑顔が素敵だね。元気をもらえる」と、みんなが言いました。カメの笑顔と前向きな気持ちが、周りの動物たちにも伝わり、森の中はいつもより明るい雰囲気になりました。
カメはまた思いました。「年齢を重ねても、自分のペースで過ごし、毎日少しずつ自分を大切にしていけば、他の動物たちにも良い影響を与えられる。笑顔で過ごすことで、みんなにも元気を分けられるんだ」と。
そして、カメは続けてこう言いました。「私はもう速く走れないかもしれませんが、毎日少しずつ歩くことで、心と体のバランスを取り、幸せを感じている。自分の機嫌は自分で取ることが大切だし、周りの人たちにもその気持ちを伝えることができる。それが私の新しい力なんだ」と。
教訓
「年齢を重ねても、できないことが増えても、自分のペースで過ごし、笑顔でいることが大切です。周りに良い影響を与えることができるのは、まず自分が心から元気でいること。どんな状況でも、自分の機嫌を取ることが、周りの幸せに繋がります。」