モモと考える帽子


昔々、小さな村にモモという好奇心旺盛な子供が住んでいました。モモはいつも新しいことに挑戦するのが大好きでしたが、失敗するたびに頭の中が「どうせ無理だ」とか「もうやめよう」という声でいっぱいになってしまいました。


1. 不思議な帽子との出会い

ある日、モモが森を散歩していると、光る帽子をかぶった年老いたリスに出会いました。リスは優しく微笑みながら言いました。
「これは考える帽子。この帽子をかぶると、自分の頭の中で聞こえる声を、自分で操ることができるんだよ。」
モモは驚きながら聞き返しました。
「頭の中の声って、自分でどうにもならないものじゃないの?」
リスは答えました。
「ほとんどの人はそう思っている。でも、この帽子を使うと、君自身がその声を選べるんだ。」


2. モモの挑戦と最初の失敗

モモはその帽子を借りて、さっそく村のダーツ大会に挑むことにしました。でも初めての試合で、モモは的から大きく外れてしまい、村のみんながクスクス笑いました。
その時、モモの頭の中で「ほら見たことか」「やっぱり君には無理なんだ」という声がどんどん響いてきました。
でも、モモは考える帽子をぎゅっと押さえ、「その声は聞かない!」と心の中で言いました。そして、代わりにこう考えました。
「外れてしまったけど、どうすればもっと上手に投げられるかな?」


3. 次の一歩を踏み出す

モモは村の広場で何度も練習を繰り返しました。考える帽子を使い、頭の中の声を「次はこの角度で投げてみよう」「少し肘を上げたらどうかな?」と、前向きな声に変えていきました。少しずつ、モモの投げるダーツは的の中心に近づいていきました。


4. みんなへの気づき

次の大会の日、モモは村のみんなの前でこう言いました。
「最初は失敗して笑われて、やめたくなったけど、自分の頭の中の声を変える練習をしたんだ。そしたら、少しずつ上手になれたよ!」
村のみんなは拍手を送り、モモが次の一投で的の中心を射抜いた時、大歓声が上がりました。


寓話から学ぶこと

  • 自分の頭の中の声を選べるということ: ネガティブな声に引っ張られるのではなく、ポジティブな声を選ぶことで、次の一歩を踏み出せます。
  • 失敗も成長の材料にできる: 失敗した時こそ、「次は何を試せるかな?」と考えることが、改善(KAIZEN)の始まりです。